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どうぶつ畑

どうぶつ畑

ヒツジの広場

サフォーク
ヒツジ・羊・未・緬羊
脊椎動物門・哺乳類動物綱・偶蹄目・反芻亜目・ウシ科・ヤギ亜科・ヒツジ属  
コリデール
  

今年もあとわずか。今度ヒツジさんと会えるのは12年後になります。というわけで去り行くヒツジを惜しみつつ、ヒツジあれこれです。

1.ヒツジのイメージ
 おとなしいとか毛糸とかそんな感じ?少なくとも悪いイメージはないですよね。聖書に中では最後の審判で生き残る「善人」にたとえられ、善の象徴としてしばしば絵画の中に登場します。また「迷える者」ともされ、聖書の中で信者の例えにもされています。ちなみにその対象としてあげられるのがヤギ。生態的にもよく似ている両者なのにこの違いは何なんでしょうね。

2.最も早く家畜化された動物
 ヒツジはとてもおとなしく大きな群れをつくり、環境への適応力も早い。その上我々ヒトの生活に大変役に立つ、ということで今から1万年前に農業用家畜として一番早く家畜化されました。家畜化が進められたのはメソポタミア地方だといわれています。家畜ヒツジはムフロン、ウリアル、アルガリの3種の野生ヒツジが祖先種だといわれていますが、そこに改良を重ね現在品種として成立しているのは実に1000種にも及び、ヒツジがどれだけヒトにとって有益動物なのかがわかります。日本でも一時期、牧羊業を推奨した時期がありましたが、ヒツジの飼育に気候が適していなかったこと、それだけの土地がないことや費用の面で産業として根付くことはありませんでした。

3.ヒツジの利用方法
 ヒツジには肉用種、毛用種、乳用種があり最も多いのは肉用種です。よく動物園やふれあい牧場などにいる顔の黒いヒツジ、サフォークダウン種は肉用種、顔の白いコリデール種は肉・毛兼用種です。羊肉は日本ではあまり食べられませんが海外ではよく食べられる肉のひとつです。カロリーが低く、栄養価に優れたヘルシーかつダイエット食品としても注目されています。海外ではシチューにしたりカレーにしたり骨付きのまま焼いたりと日常生活の中で食べられる羊肉ですが、日本で最も馴染みのある羊料理といえばやはりジンギスカン。これなら食べたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。羊肉は生後6~10ヶ月の子羊の肉をラム、生後1年以上の羊肉をマトンと呼びます。また成長段階でも呼び名が変わり、これは日本でいう魚の名前が成長によって変わるのと同じことです。それだけ現地の人にとっては馴染みが深く重要な生き物だということです。あとは羊乳を利用したロックフォールチーズが有名です。肉や乳のほかに、内臓の腸管がラケットのガット、外科用縫合糸やソーセージの中身を詰めるケーシングに、脂が化粧品などに使われています。
 家畜ヒツジの毛は季節によって抜け替わることはありません。なので年に1度もしくは2度、毛刈りを行います。春も終わりのころ、よくヒツジの毛刈りのニュースを耳にしませんか?毛用種は毛を取るために改良されたので換毛せず、刈ってあげないと毛は伸び続けます。代表的な羊毛種のメリノー種では毛嚢の密度が1cmあたり8,000~10,000個で、野生種の10倍だそうです。刈り取った毛はおなじみ毛糸になりセーターや毛布などのウール製品としてわたしたちの生活になくてはならない存在です。あと意外に知られていないのがフェルト。これもヒツジの毛から作られています。ヒツジの毛さえあればご家庭でも簡単に作れるんですよ。

4.ヒツジのしっぽ
 突然ですがヒツジのしっぽ、どうなっているか思い出せますか?動物園などで見られるヒツジのしっぽはどれも短いもの。ですが、あれ、切っているからなんです。生まれたばかりのヒツジはしっぽがネコのように長いんです。それを生後2週間くらいにちょん!ヒツジのしっぽは体と同じように毛が密集しており、そこにフンや尿などが付き衛生的によろしくないので切ってしまうんです。今度ヒツジを見る機会があったらよーく見比べてみて下さい。1頭1頭しっぽの長さが違うはずですから!


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